2023年には世界の石炭消費量は鈍化し（+2.2%）、中国とインドでは急増しましたが、OECD諸国では再び減少しました。

世界の石炭消費量の伸びは、2022年の6%超から2023年には+2.2%に鈍化しましたが、2010年～2019年の期間と比べると依然として著しく速いペースを維持しています。履歴トレンドに沿って、非OECD諸国での石炭消費は増加し続けており、世界の石炭需要の86%を占めています。経済成長、気温上昇による冷房用電力需要の上昇、水力発電量の減少により、**中国（+6.9%）、インド（+9.9%）、ベトナム（+25%）**での石炭需要が増加し、中国とインドで世界の石炭消費量の71%を占めています。ロシアは安定を維持しました。
対照的に、経済成長の鈍化、産業界からの石炭需要の減少、電力需要の低下、電力部門における代替燃料との競争により、OECD諸国では、石炭消費量は引き続き減少しました。石炭からガスへの切り替えと再生可能エネルギーの生産増加により、米国の石炭消費量は18%減少しました。EU、日本、韓国では、原子力発電と再生可能エネルギー発電の増加が石炭消費量の削減に寄与しました（EUでは-22%、日本では-8.9%、韓国では-2.8%）。また、オーストラリア（再生可能エネルギー発電量の増加）と南アフリカ（長引く供給問題のため）でも減少しました。